第96章

「……これは……」

 アリシアは指先に触れた感触を確かめ、さっきまでの皆の様子を思い返した。間違いない。これは任務の紙片だ。

 けれど、その前に――アリシアは自分がそれに触れていないことも、はっきり覚えている。自分から掴んだというより、上からふいに落ちてきた。そんな感覚だった。

「そこの生徒、終わったか?」

 少し離れた場所に立つ教員たちは、特に異変に気づいた様子もない。アリシアが動かないのを見て、ひとりが声をかけてきた。

 アリシアはその教員を一瞥し、顔を記憶に刻む。数拍だけ考え、何食わぬ顔で――その怪しい紙片ごと、さらにもう一枚、追加で紙片を引き当てた。

 手の中の二枚は、他...

ログインして続きを読む